星空電車、恋電車

「でもさ、好みのタイプなだけで実際に付き合う相手はタイプな人じゃないこともあると思うのよね」

「そうかもしれないけど、それやっぱり京平先輩と私には当てはまらないな」

私はきっぱりと言い切った。

だって、昔私たちは樹先輩を取り合うライバルだったからこその今の関係。
もちろん、京平先輩と樹先輩は仲がいい友人でそっちの気があるわけじゃないし、私ももう誰かと樹先輩を取り合う関係じゃない。

だから、私と京平先輩に残ったのは先輩後輩関係・・・いや地元を知る数少ない友人関係みたいなもの。

「なーんだ、残念」

ユキはそう言ってスマホをいじり始めた。
恐らくあのグループに「違った。あの二人付き合ってなかった」などというメッセージを送ってるんだろう。

京平先輩と私の関係なんて少し考えればわかりそうなものなのに。

ユキも京平先輩のお友達たちもまさか、恋愛脳が前面に出すぎちゃって最近冷静な判断が出来なくなってきたんじゃないのかなと心配になってくる。
もちろんそんなことは口に出して言えなかったけど。

彼らとグループトークしはじめたユキに放置された私はダイエットコーラのストローを咥えて窓の外に視線を送った。

街はすっかり春だ。

来週から私たちは大学二年生になり、キャンパスには新入生が入って来てサークルの勧誘などで賑やかになるだろう。

・・・樹先輩はサークル活動でうちの大学に顔を出すんだろうか。
そんなことを考えていたら私のスマホが震えた。

画面を開くと、噂の京平先輩からのメッセージ。

『バイト辞めた?』

この人、なんでそんなこと聞くんだろう。

『辞めてませんけど』

『ケーキ屋閉まってるけど?』

『ああ、今臨時休業です。ケーキ買いたかったんですか?』

『そういうわけじゃないけど。で、お前どこにいんの?』

は?
なんだこの質問は。