そしてやっと掴んだ涼香を俺が離すもんか、離してやるもんか。

これからも、きっと涼香はいろんな事で俺が困らせるかもしれない、でも俺は守り抜くって心に決めた。

あの日、涼香を手にしたあの日に決めた。

何があっても離さないと。

涼香の笑った顔を見ていられるなら、それだけで幸せだと。



「蓮さん?どうしたの?蓮さん??」

「え?あ、あぁ、どうしたんだ?」

目の前に涼香がいた。
心配そうに俺を覗き込み、額に手をやっていた。

「何度声をかけても、返事ないし。側に寄っても私に視線が合わないでしょ?何かあったんじゃないかって、心配したじゃない…」

「大丈夫だよ…思い出してたんだ」

俺は額に当てているその手を握り、甲にキスをした。
涼香を見つめながら続けた。

「何を思い出してたの?」

「ルイが、涼香を見つけてくれた、ってね」

赤くなった涼香を抱き寄せ、耳元で囁いた。

「絶対離さない、愛してるよ、涼香」

驚いたのか、涼香は俺から一度体を離した。そして真っ赤になった顔で呟いた。

「馬鹿。離してくれ、って言われてもしがみつくから。何があっても私は蓮さんを信じてる。私も愛してる。ただ、ヤキモチは妬かせてね?」

そう言うと、にっこり笑って涼香から唇を合わせてきた。

俺もヤキモチ妬くから、お互い様だよ…その言葉は、熱いキスに飲み込まれた。