涼香が、秘書についてから俺の仕事が変わったと言われるようにもなった。

今までは、補佐的に匠がついていてくれていたが、あくまで匠は親父の秘書だったから、基本的に俺は最初一人で動いていた。だから自分のやりたいように仕事をしていた部分があった。
それを涼香がついた事によって、スケージュルをちゃんと組んでもらうようになった。

当たり前の事だが、それが出来ない秘書もいた訳で、特に、フランス語が出来るのが大きかった。
ルイがそれは喜んでいた。
英語で話する必要性がない!と。
メールでも電話でも、問題がないのは素晴らしいと言ってたっけ。

まぁ、ルイが涼香を絶賛する気持ちは分からないでもないけれど。
いつからか?俺が涼香を意識し始めたのは…

多分、仕事ぶりに驚いて、気にするようになった、それがいつ好きだと意識したのか?

涼香にも言った事がないし、涼香自身、俺の事をいつ意識したんだ?男として。

俺は…そう。
2日ほど経ったある日、涼香から聞かされた言葉が発端だった。

「専務は専務じゃないですか?私は如月社長のご子息だから、と思って仕事はしてませんよ?確かに、専務と言う役職はあるでしょうけど、納得のいかない仕事をされていれば、私はボスであっても、言葉は悪いですけど、文句は言いますよ。生意気で、申し訳ありません」

俺的には衝撃だった。