「ごめん!」

「…もう!知りません!」



私の前で手を合わせて謝る蓮さんと私を交互に見ながら室長と美玲が笑っていた。

そう、会社の廊下で激しくキスをされている現場をよりにもよって、室長と美玲に見られてしまったのだ。

「お前な、せめて社長室でしろよ、そういう事は」

「仕方ないだろ、したかったんだから」

「二人とも!そういう事をここで言わないで下さい!」

怒る私に、慌ててなだめに入った美玲も笑いをこらえていた。

「美玲…あなたも…」

「やだ、私にまでとばっちり受けたくないわよ。何も言ってないじゃない」

美玲は室長の後ろに隠れた。

「それより、涼香さん。南條から電話ありましたよ。蓮が電話に出ないから、ってね。来週関係者を集めれそうだって」

「来週?分かりました。兄に都合聞きます。蓮さん…」

「っ、分かった。俺の方も調整取るよ。涼香も俺のスケジュール合わしてくれ」

「分かりました」

一瞬で空気が流れが変わった。