once again〜season2〜

部屋に入ると、いつもの自信に満ち溢れた兄の姿はそこにはなかった。

「に、兄さん…寝てる?大丈夫?」

「いや、大丈夫だよ…なんだ?園田から親父にはまだ言うなってお前が言ってると聞いたけど…」

きっと、この間、蓮さんに話をした時に、私との結婚自体があなたのせいで白紙になるんですよ、と言われた事が相当響いているんだろう。兄の目には生気がなかった。

自分の感情だけで、動いていいのかと。

「俺が話すよ、涼香。いいよな?」

蓮さんが私の手を握りながら、兄の前に出た。
私は黙って頷いた。

「今回の事、私の方でも対策を考えました。話をきいてもらえますか?」

「蓮君…なんだ?」

「私も、涼香さんと別れる気なんて全くと言っていい程ないんです。どうしたら回避出来るか考えました。まずは、不足している医師の問題です。私にも医師の友人はいる、その中で頼りになる人材を見つけました。申し訳ないですが、お義兄さんより現役の脳外科の医師です。快く引き受けてくれました。何人か引っ張って行ってくれるとも話をしています。そして、経営の事ですが、そこの部分をお義兄さんにお願いしたい。そこは経営者として、辣腕を振るう事が出来るでしょう?それは、SEIWADOにいながら出来る事です。それでも、無理な話なんでしょうか?」

兄はただ、黙って蓮さんの話を聞いていた。