「…ん」

喉の渇きで目が覚めた私は、水を飲もうと体を起こした。
その横には、匠さんが気持ちよさそうに眠っていた。

水をコップに入れて戻った私は。ベッド脇に置いてある携帯が光っているのが、目に入った。

誰からだろう?

そう思いながら、携帯を見るとメッセージが来ていた。

『美玲、ありがとう。有里華にも感謝だけど、美玲と有里華がいたから私はここまでやったこれた。ありがとう、そしてこれからもよろしくね。室長と幸せになってね。次はあなたの番よ』

涼香からメールが届いていた。

有里華とは違い、涼香とは高校からの友達で、周りの子たちとは違う雰囲気のある涼香が気になって私は友達になった。

「涼香…私こそ、だよ。涼香がいなかったから、私は匠さんとも出会えてなかったよ。ありがとう。有里華、共々よろしくね」

時間を確認して、今なら起きてるであろう、涼香にメッセージを送り返した。

今度は私か…

ベッドに戻った私は匠さんに抱きついた。

「ん?どうした?」

「あ、ごめんなさい。起こしちゃった?」

「いや、美玲がいないから目が覚めたんだ。どうした?」

「水飲んでたの。匠さん…」

「ん?」

「ずっと一緒にいてね?」

「な、なんだよ。離れる気なんてないから、覚悟しろよ?分かってるどう思うけど」

力強く抱かれたその手を、私は離さない。

匠さんと一緒に歩いていく、この人と離れたくない。

深い口づけと共に私は心に決めた。


『新章…美玲編』………完

お付き合いいただきありがとうございました。
次は、有里華の物語かな、と考えています。またよろしければ、読んで下さいね。ありがとうございました。