「まだいいんじゃないのか?」

「よくないです。もう夜中ですよ?」

「いいじゃないか。俺は美玲と、こうしていたい」

「…っ、匠さん!」

何も纏っていない腰に手を回され、私の温度がまた上る。

「…っ、お腹空かないの?」

「ん?俺は美玲でいい」

「だから、そう言う事じゃなくて!」

もう!と胸を叩こうとして、その腕を掴まれた。

「なんの夢見てたの?帰ってきた時、すごい笑顔で寝てたけど?」

「え…」

夢?
そうか…出会った時の事を思い出していたんだ。あの時の匠さんを…

思い出し笑いをしていると、納得がいかないのか、匠さんが私に中に入ってきた。

「あっ…もう…」

「1人で思い出し笑いするなんて、ズルいな、何の思い出してたの?」

「あっ、もう…出会った…頃の事…」

「そう?じゃ、もう一回思い出させてあげるね。あの時の…」

そのまま、朝まで私達はベッドから出る事はなかった。