once again〜season2〜

食事に行くと思っていたのに、出かけた先は、食事じゃなくドライブ。

「まだ怒ってるかな?」

運転中、手を握られていた私。
男性と恋愛経験が全くない訳ではないから、恥ずかしいとか、これからどうなるんだろう、と思う事はなかったけれど、今まで雲の上の存在だと思っていた、氷室さんとのあり得ない今の状況に、私の心が激しく音を立てていた。

しかも、怒ってるか、って?
そりゃ、怒るでしょう?
食事だって言って誘ったくせに、こんな遠い所まで連れてくるなんて。だけど、あの氷室さんがそんな事をするなんて…

涼香が知ったら、きっとびっくりするんだろうな。

「佐伯?悪かった…そんな怒るとは…」

「え?あ、ごめんなさい。他の事考えてて…」

私が話をしないものだから、心配した氷室さんが、顔を覗き込んできた。

「怒ってたんじゃないのか?」

私が他の事を考えてたと言ったもんだから、驚いているようだった。

「…怒ってましたよ。だけど、氷室さんでもこんな事するんだな、って思ってしまって」

「ふっ…、君には俺がどんな男に映ってたんだい?」

車を駐車場に停めた氷室さんが、私に向き直った。
顔を見つめられ、私は氷室さんから視線を外す事が出来なかった。