「おっきいー!」
「おおすげぇ、本物だ」
「ほらカップルさん、写真写真! 並んで!」

和希と、そう言って急かす絢斗は、ジンベエザメの泳ぐ水槽をバックにレオと車椅子に乗ったツバサを並ばせ、スマートフォンで写真を撮った。

「いいねー!」
「あーうるせ」
「うれしいくせにー」
「もう本当に黙れ」


館内を見て周り、四人はお土産コーナーを訪れた。
お店は少しコンパクトな作りの為、車椅子では入れずツバサは店の横にあるシロイルカの見える位置で待っていた。
少し待つと、三人がやってきた。レオはやや大きめな袋を持っていた。

「ほらレオ!」
「レオさん」

和希と絢斗に背中を押され、レオはツバサの正面へ行くと、ツバサの視線と同じようにしゃがみこんだ。

「……退院おめでとう」

そう言って渡されたのは、やや大きめのジンベエザメのぬいぐるみであった。

「くれるんですか?」
「やる」
「耳赤いですよ」
「うるせえいらねぇのか」
「もらいます。ありがとうございます」

ツバサがそう返事をすると、レオは小さな声で、おう、と返した。