「カップルが帰ってきた~。今日は赤飯だね」
「いや、あの僕病院食なんですけど……」
「じゃあシュークリーム買ってきてあげる」
「和希それ自分が食べたいだけでしょ好物だったよね」
そんなやり取りをして、和希が1階にあるコンビニへシュークリームを買いに病室を出た。
「で、今後のご予定は?」
「明日の検査で多分一時退院になるので……」
「じゃあどこか二人きりでデートするのがいいんじゃない?」
「アヤお前そのにやけ面やめろ。明日検査か。じゃあ今日は早く帰るとすっかな」
「おやすみの電話くらいしてあげなね~」
「うるせえ……」



…………
………
……




シュークリームを食べて病院を出た和希達は、ツバサの居ない帰路についていた。
「なあ和希」
「なに?」
「ツバサの余命……あと3ヶ月って……」
「脳以外にも転移していて、摘出は難しいみたい」
「そうなんだ……」
「和希、ツバサの誕生日っていつだ?」
「3月29日。超えられるかどうかだね」
「3月29日、か」