「あ、俺トイレ行ってくる」
「俺もー。レオ、ツバサちゃんのことよろしく~」

大水槽の前にツバサ達はまた訪れた。
どこを見ても蒼がいっぱいで、綺麗だった。

「あー、桜、体は大丈夫か? アヤのやつうるせえから疲れるだろ」
「大丈夫です。ありがとうございます。アヤさん元気ですよね」
「年中無休で元気だよアイツは」
「あはは!」

数秒、レオは前を向いた。
その横顔は、蒼に染まっていた。
綺麗だと思った。

「神崎さん」

“すきになってしまいました“

その言葉が、うっかり出てしまいそうだった。

「……綺麗ですよね、この水槽。海の中に居るようで」
そうツバサが言うと、レオはしゃがんでツバサと目線を合わせた。

「俺は?」
「え?」
「俺のことは、綺麗だと思わねぇの?」
「神崎さん……?」