学校に近付くに連れ、同じ制服を着た人達が増え始めた。
その人混みの中に、あの二人が居た。
「アヤさん、レオさんおはよう」
「おはようございます」
「あ、ツバサちゃんと和希だ。おはよう」
「……はよ」
レオが眠たげに欠伸をする。
「ツバサちゃん昨日学校休んでたんでしょ? 体調大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫です。ありがとうございます」
「良かった。今日一緒にお昼食べようね!」
「はい」



…………
………
……




「わー美味しそうなお弁当! もしかしてこれも手作り?」
「そうです。ありがとうございます」
このハンバーグなんか特に美味しそうだなと呟く絢斗に、よければ半分あげますと言ってハンバーグを分けたツバサは、重大な危機に遭っていた。
なんとレオがツバサの隣に座っているのだ。
でも恋なんてしていない。していないというのに、なんで、こんなに心がざわつくのろう。
その答えは、ツバサにだってもうわかっていた。
ツバサは、それを認めたくないだけなのだと。
「あー飲み物忘れたわ。買ってくる」
そう言って立ち上がったレオの背中を見てほっと一息つくと、絢斗が小声で話始めた。
「そういえば、来週の金曜日レオの誕生日なんだよね。何処かでお祝いしようと思ってるんだけど、何か案ある?」
「あ、そうだったね」
「あの、僕に提案が」