屋台では、ミニマルゲリータやフィナンシェ、ブラウニーなど聞いたことのある料理もあれば、レンズ豆のスープやトムヤムクンなどあまり聞いたことのないものまで売られている。

「おいしい…!」

「これ、もう一つください!」

そんな声があちこちから聞こえ、風子たちは大忙しだ。しかし、みんな笑顔で食べてくれるので疲れなど感じない。

「外国の料理ってことでちょっと心配したけど、おいしいって言ってくれてよかった!」

梨花がスープをかき混ぜながら言う。

「そうですね!おいしいって言ってもらえると、作る方も嬉しいですよね!」

沙羅が微笑む。

そうしている間にも、お客さんはどんどんやって来る。

「これは何て名前の料理?」

「これはトムヤムクンと言います。タイの料理です」

風子と愛はお客さんに料理の説明をしたり、料理を手渡ししたり大忙しだった。

午前中に料理はほぼ完売となってしまった。

風子と沙羅は、部室の方を見て来てほしいと梨花に頼まれ、愛と梨花が片付けをしている間に部室へと向かった。