私は独り、病室にいた。


独り、か。
初めてかもしれない。
独りになったのは。

嫌だ。
独りに、しないでよ。
隣に、誰か……
え……。心のなかに、誰か居る……。
と思ったとき、
「痛い!」
頭に激痛が走る。
なんでこんなに痛いのよ。
全く。

にしてもなぁ。
お母さんがいたのは、分かる。
だけど、あの男の子は。
柚希、くん。
見たことは、ない。
でも、どこか懐かしい気がしてならない。


ガチャ。
病室の扉が開く。
お母さんと柚希くんが、戻ってきた。
すると、母がバッグを持って、
「そろそろ、面会時間は終わりね。じゃ、お母さん。帰るわね」
と去っていった。
え!二人きり!?
ちょ!お母さん!
二人きりに、しないでよ!!

行っちゃった。
どうしよう!男の子と、二人きりなんて!