ボクは初恋をまだ、知らない。

太陽先生は、ある教室の鍵を開けた。

ここは……もしかして?

ボクはここに見学に来た時の事を思い出した。

「……入って。」

さっきの緩い表情はもうすっかり消えてて、

しっかりとした大人の顔つきに戻っていた。

ボクは部屋に足を踏み入れると、
あの日と似た風が吹き抜けた。

ベージュのカーテンが揺れて、

純白のウェディングドレスが目にとまり

ボクはみとれた…。

「そのドレス、俺がつくったんだよ。」

「えっ!?」

意外だった。

何故か初めて見た時、女性がつくったものだと勝手に思っていたのだ。

「ちなみに、朝日理事長の娘さんが
着るウェディングドレスだ。」

そう教えてくれた太陽先生の口調は、

何故か少し、切なげに聞こえた。