放課後、ボク達は下駄箱に集合して、
4人で河原へ向かった。

「まさか千影が翔と接点持つとはな!」

風見がボクの頭を犬のようにぐしゃぐしゃに撫でてきた。

「こら啓介!ボクを犬みたいに扱うな!」

「なんだよー照れてんのか?」

「んな訳ないだろ!」

ボクは啓介の腕を精一杯の力で押しのけた。
そんなやり取りを見た薫が笑って言った。

「まさか風見くんと千影が仲良かったとはね!
もしかして幼なじみ?」

「そうそう。小学校から一緒。
ボクの唯一の親友。」

「嫌がりながらも親友って事はちゃんと
言ってくれるんだよなぁ!可愛い奴め!」

「可愛いはやめろって。」

くすくすと花岡くんも笑った。

「なんか俺と薫みたいだね。2人の感じ。」

「ね、似てるわぁ。幼なじみ同士と、
幼なじみ同士が繋がって!!
友達の輪が広がったぁー!みたいな?」

薫が腕で輪っかを作って、クルクルと回った。
ダンスがしたい、早る気持ちが伝わってくる。

「そうゆうの好きだぜ!っしゃあ!
皆で河原まで競走だ!」

「えっ待ってよ!啓介ずるいぞー!」

「あはは!風見のやつ、
青春定番みたいな事好きだな!」

「風見くん!?あたしが先だぁー!」

ボク達は、本気モードで走っていく。
下校中の生徒達を追い越して、
どんどん、どんどん……。

"……あれ?なんか今、凄く楽しいや。"

ボクはこの時初めて、

「青春」とゆうものを確かに、感じたのだ。

一人ぢゃ到底知ることの出来ない。

誰かと過ごして初めて得るモノ…。

河原へいち早く着いた啓介が
「いやっほう!!」と空高くジャンプした。

そんな姿を見たボクは、
改めて啓介が居てくれて良かったと
心から感謝した……。