あと、10日しかない。
あと10日後には中学を卒業する。
卒業したらもう会えなくなる。
そんなことを毎日考えながら
県立一般入試を迎えた。

私もY君も専門系の高校に進学したので
入試は2日間。
1日目に入試試験
2日目に面接試験が行われた。
入試試験当日の朝、LINEでお互い頑張ろうと
送り合い、各会場に向かった。
無事テストを終え、出来はどうだったか
明日の面接のことたくさん話した。
そして次の日、面接試験当日の朝も昨日と同じよう「頑張れ!」
「うん!Y君も!」とだけ、LINEをし
会場に向かう。今までにないくらいの緊張感だ。
緊張でどうにかなりそうな時
ふと浮かんだのがY君の顔。
「頑張れ」の一言が頭をよぎった。
その一言のおかげで頑張れたようなものだ。

そして、無事面接試験を終え中学校に向かう。
その日はあいにくの雨で学校に着いた頃には
靴下も髪もびちょびちょになっていた。
職員室へ行き、無事戻ってきたことを
学年の先生へ伝え、着替えをし
卒業式の練習をしている体育館え向かった。
体育館へ行く途中に昇降口を通ると
Y君がちょうど面接試験から帰ってきところだった。
Y君の顔を見た瞬間、ほっとした気分になった。


そして、最後の給食を食べ
次の日、卒業を迎えた

たくさん泣いて、色んな人と話した。
でも、なぜかY君に話しかけることは出来なかった。
中3になってから直接話すことはないまま
中学校生活も終えた。


そして、合格発表日
見事合格できた人は、午後中学校に報告に
行くことになっていた。私は、合格することが出来たので友達と中学校に向かった。
クラス事に整列をして座って待っていた。
しかし、いっこうにY君が来なかった。
「うそでしょ」と思った時
Y君と友達が走ってきた!
お互い合格出来たことがわかった。
嬉しくて先生の話どころではなかった。
このことをその日Y君にLINEした。
「心配してくれたんだ笑」ときた。
やっぱりからかっているような感じがあったが
この感覚が懐かしかった。
その日からY君とのLINEが弾み
夜中まで話し続ける日々が続いた。
ある日は外が明るくなるまで
ずっとLINEし続けたこともあった。
そんなことが続いた春休み、
私は友達に言われまたある決心をした。
それは、1ヶ月遅れのバレンタインチョコを
Y君にあげることだ。小学校以来だし
あげていいのか、すっごく悩んだけど
LINEで「チョコ作ろうと思うんだけどいる?」って
聞いた時に、「いいの!?」って言ってくれたことがすごく嬉しかったのを今でも覚えている。
人生で2回目のチョコを
またY君にあげることになった。
3月14日
ガトーショコラを作った。
「ガトーショコラ作ったんだけど、いつ渡せばいい?」とLINEをすると、
「今日どっか出かける?」と聞かれた。
特に用事もなかったので「出かけないよ!」と
答えると、「じゃあ、俺今日遊ぶからその帰りにお前ん家取りに行くよ!」と言われた。
「え!?!?うちに来る!?!?」思わず
叫んでしまった笑笑
慌てて、オシャレをした。
その日の夕方、インターホンがなり
外に出ると何週間ぶりかに見る
Y君がいた。「はい!」チョコを渡すと
「ありがとう!!あ、これお返しした方がいい?」
と聞かれたので、緊張している私はとっさに
「大丈夫だよ!」と答えた。その会話が
約1年ぶりにY君と直接交わした言葉だ。