「え、告白?誰に?」


「は?いや、知らないけど…。」


なぜか、微妙な空気の沈黙が流れる。

少しして、



「え!昨日、原口って、え、告白だったの?」

「え?」


突然大きな声をあげ、顔を真っ赤にする大原くん。

多未は一年前、大原くんと話した日のことを思い出す。



ーあれは、校門の前で友達を待ってた大原くんが、たまたま通りかかった私に声をかけてくれたんだ。

最初確か、
「おはよう」だか、「こんにちは」だか、の声だったから私宛ての声とは気がつかなくて、二声目の、


「久しぶり」


で、やっと顔をあげたら、こっちを向いて笑ってる大原くんが少し遠くの校門の前にいたんだ。


「俺の名前覚えてる?」

その質問に軽く頷き、

「おおはら、はやき。ですか?」

私はそう聞いて、

「そう!正解!あ、はらぐち、たみ、自信ある!」

とても強気な発言なもんだから、つい、

「正解だけど、間違ってたらスキありすぎのポンコツ…」


ヤロウじゃんって、つい素が出そうになった発言のところで…たしか、そこで大原くんの友達が現れて、私は話切り上げてスタスタ帰ったんだ。最後、大原くんらしき人の

「バイバイ」


が聞こえたけどそれ無視して…。ー