多未と光の過去の出来事。


小4の時、まつ毛が長いと言われていた光。

小4の時、鼻血を出した多未。


小6の時、移動教室で同じ班だった二人。

小6の時、目が合って、睨み付けると不思議そうな顔をされたこと。

小6の時、「原口、何考えてるか分かんない。」
と、多未の友達に言った光。友達が教えてくれた。


中3の始業式の日、一瞬目が合って、ただそれだけ。


…だったはずだった、、、



私の記憶のあなたとの思い出はそれぐらいなのに、私は中3の四月の始業式の次の週から、中学生をやり直している。

現実の高1の私は、今。どうなってるんだろう。

気になっておばあちゃんからもらった、手帳を探ることにした。紙が一枚、挟まっていた。


『多未が中学3年生の、目標と案内とおばあちゃんの声』

うわ、題名だけでいっぱいだ。中身は…


[1. 中3をやり直して、進路を決めること。
2. ちゃんと青春を謳歌すること。
3. 戻ってくる時間は、特別に4月1日に止めてあること。そしたら、高校の始業式から通えるでしょ?
4. 多未の今、は中学3年生です。先の未来の高校1年生のことは、今は気にしなくていい。迷わず、行ってしたかった中学生生活を送ってね。

(原口 幸)はらぐち さち(祖母)より]