築「泣いてんのか?」
愛琉「泣いてない!」
築「なぁ、新川。聞いてくれ。
あの日、俺は余裕がなかった。
いや、本当はもっとずっと前から
余裕なんてなかったのかもしれない。
だから、大人気ない事言って
お前の事を傷付けた。悪かった。
お前は出て行かなくていい。
俺が出て行くから。大体、ここは
お前の家だろ?お前は自分の家を
守る為に俺と暮らし始めたんだろ?
簡単に手放すんじゃねぇよ。」
簡単な訳ない。私だって嫌だ。
あそこが誰かの家になるのは嫌だ。
でも、鬼男ならいいと思ってしまった。
鬼男がずっと...私たち家族の思い出が
詰まったあの家で暮らしてくれるのなら
それでいいと思ってしまった。
どこにいるか分からなくなるよりは
あそこに鬼男がいるって
分かった方が安心だった。



