外はすっかり暗くなり、校庭には、沢山屋台並んでいる。この祭りに参加している魔法学校の制服を着た人達と地域の大人達は、忙しそうに走り回っている。他の生徒や子供達は、屋台を見て回っている。私と美影も屋台を見ていた。
「お母さん!これ買って~!」
「から揚げ1つください」
そんな声が、色んなところから聞こえてくる。冬の寒さは、熱気でかき消され暖かくなっていく。
「美影!」と、横から男子が走って来る。
「琥白!?」
琥白は、私達の目の前で立ち止まると微笑んだ。
「よ!21時から、花火が上がるの知ってるか!?」
「…去年はなかったよね?」
「そうなんだよ!今年は、花火を上げるらしいぜ!!」
「冬に花火か~…面白そうだね」
「21時な!覚えておけよ~!」
そう言いながら、琥白は、美影の横を通り過ぎて走り去っていく。
「花火まで…あと5分か」
美影は、私の手を掴んで走り出した。
「どうしたの?」
「あそこに行くの!!」
祭り会場から離れた場所まで走ると、美影は魔法をかけた。私と美影は、再び空へと舞い上がる。



