「……、」



そっと目を開くと、カーテンを閉めたままの外からは雨の音が聞こえた。



今日、雨……。

やけにはっきりと、あの日のことを夢に見たわけだ。



額に滲んだ汗を寝間着の袖で拭うと、クラッと目眩がした。



「気持ち、悪い……」



風邪かな。熱っぽさはないけど……。

ゆっくりとした足取りで二階の自室から一階のリビングへ降りて行くと、そこには誰もいない。



そうだ、お父さん昨日から出張行ってるんだ。

ひとりであること、さらには体調もすぐれないことから朝食を用意する気にはなれず、とりあえず身なりを最低限整え学校へ行った。



……そういえば、お父さんに三者面談の話まだ出来てない。

先生に言われてから、もう3日が経つ。

けれど今だにお父さんに三者面談の話は出来なくて、そのまま今回の出張に行ってしまった。



言わなきゃいけないとは思ってるんだけど……言いづらいな。

この気持ちの不安定さが、今朝の夢を見させたのかもしれない。



駅までの道のりを歩くと、ザァァと傘を打つ雨の音が響き、それがまた気持ちを重くさせる。



雨が降る度、ひとりになる度、こうして思い出し引きずるのかな。



……そんな弱い自分が、いや。