その日一日、気持ちは沈み落ち込んだまま。
お昼ご飯も食べられず、お父さんが作ってくれたお弁当も残してしまった。
罪悪感でますます苦しい。なんだか気持ち悪くなってきた……。
放課後、私はひとり俯きながら視聴覚室へ向かうべく本校舎と新校舎をつなぐ渡り廊下を歩く。
近くの中庭では、ホースで水撒きをしながらはしゃぐ女子たちの声が響いている。
「あれ、悠?」
すると、そんな中かけられた声に顔を上げると、向かいの新校舎の方から歩いてくる真紘先輩がいた。
ひらひらと手を振り笑う彼に、一瞬で心に光が射すのを感じた。
「真紘先輩……」
「どうした?下向いて。どこか体調悪い……」
真紘先輩は私の顔を見てそう言いかけた、けれど中庭のほうを見てなにかに気づくと、私の元へ駆け寄った。



