「悠、朝ごはんできたぞ」



そう私に声をかけたのは、ワイシャツとネクタイにエプロンを合わせた格好のお父さん。

その言葉に「うん」と答えてダイニングに行くと、4人掛けのテーブルには綺麗に焼かれたトーストと、目玉焼きとソーセージが並ぶ。

おまけに手作りの野菜ジュースまで用意されている。



「いただきます」

「はい、どうぞ」



手を合わせて食べ始める私の向かいで、お父さんは自分の食事もそっちのけでお弁当におかずを詰めている。



私のお父さんは、お母さんより4つ年下で、年齢は35歳。

茶色い髪に童顔なその見た目が若く見えるため、一見父親には思われないくらいだ。



だけど朝から晩まで働いていて、家にいる時には家事もこなす、すごいお父さんだ。



「あ、俺今日帰り遅くなるから、ご飯作ったら先食べてていいからな」

「うん、わかった。私もたぶん、帰るの19時くらいになるだろうけど」



トーストをかじりながら言うと、お父さんは不思議そうにたずねる。