「百瀬、大人しいから言いやすいんだろうな。そもそも、自分がぶつかっておいて鈍臭いはないだろ……」
「悠も反論してやればよかったのに!ぶつかってきたのはそっちでしょ、って」
「でも、私もぼんやりしてたから」
しっかりしていて、明るく優しい友達。
片や私は、ぶつかられて『邪魔』と笑われて……ふたりとは真逆なタイプだ。
それは見た目からも明らかだ。
校則が緩いうちの高校では茶髪や巻き髪など派手な髪型や着崩した制服、短いスカートの女子も多い。
そんな中で私は、胸元まである一切染めていない黒髪。制服はブラウスに紺色のセーターベスト、しっかり青いリボンもつけている。
もちろんスカート丈は校則通りの膝丈だ。
元々内向的で、臆病で声も小さいし、すぐオロオロしてしまう。
こんな自分があまり好きではないけれど、変える勇気も持っていない。
そんな私だから尚更心配で、ふたりは気にかけてくれているようだ。



