「悠が好きなのは、俺の歌だけ?」
え……それって。
そうだ、私、真紘先輩の歌が好きとは言ったけど、彼が好きだとはまだ言えていなかった。
けれどそれを真紘先輩自身から問われるとは思わなくて、恥ずかしさに頬がかああと赤くなる。
そんな私の反応を見て、真紘先輩はおかしそうに笑った。
「……その反応、自惚れてもいい?」
そしてそっと顔を近づけ、唇と唇を優しく重ねた。
小さなキスのあと、再び真紘先輩は私をぎゅっと抱きしめる。
耳元では、ドキ、ドキ、と彼の心臓の音が響く。
その鼓動と、窓の外から微かに聞こえるにぎわう人々の声や、校内のBGM。
それらを聞きながら、彼の腕の中で幸せを感じた。
この温もりがあれば、きっとなにも怖くないね。
嬉しさに涙が溢れる日も、不安に俯く日も、どんなことも必然と思える。
それだけで私たちは、強くなれる。
私とあなたをつないだ歌が
いつか世界に羽ばたいて
誰かと誰かをつなげたらいい。
そう、願ってる。
end.



