「でも安心した。あの日から、あの子は大丈夫だったのか、前を向けているのかずっと気になってたから」
「えっ……そう、だったんですか?」
私の問いに、真紘先輩は小さく頷く。
気にかけて、くれていた?
私が彼を思い出す間、その胸にも私の存在があった。
初めて知る、彼の胸の内。
「悠は『俺のおかげで』って言うけど、俺は何度も悠に励まされてる。俺のことで自分のことのように笑ってくれたり苦しんでくれたり……手を差し伸べてくれる優しさに、安心してる」
少し照れ臭そうに、だけど優しく見つめる瞳が、彼の言葉の真剣さを伝えてくれる。
「俺こそ、ありがとう」
瞬間、真紘先輩はぎゅっと私を抱きしめた。
硬い腕にしっかりと包まれて、少し痛いくらいだ。
だけど込められたその力が嬉しくて、私も必死に彼の胸にしがみつく。



