たった一曲、5分あまりの短いライブ。
けれど最後の音の余韻が消えた瞬間、体育館内には割れんばかりの大きな拍手が響いた。
無事、歌い終えた。
そのことに安堵していると、すぐ高田先輩に背中をトンッと叩かれた。
「悠、行くよ。次の部の発表準備があるから、すぐ撤収」
「えっ、あっはい!すみません!」
その言葉にハッとして舞台袖を見ると、次の吹奏楽部の人たちがそわそわとした様子で待機しているのが見え、慌てて舞台から去った。
「悠、お疲れ」
「あの、すみませんでした……私、最初、真っ白になっちゃって」
機材を全て舞台袖に撤収し、先輩たちに頭を下げると、笹沼先輩は笑う。
「いやー、さすがにあれは焦った。血の気引いてるし、かと思えばいきなり語り出すし」
「うっ……」
確かに、他の人には意味不明だったよね……!
自分があの場で、あんなに話すなんて、自分にとっても予想外だ。
肩をすくめて「すみません……!」と謝る私に、先輩たちは3人ともおかしそうに笑う。



