翌日。

今日は朝から快晴で、絶好の文化祭日和だ。



いよいよ迎えた文化祭当日。見慣れた校舎の中は、どこも沢山の人で賑わっていた。

うちの学校の文化祭は土曜日のみ。

生徒以外にも保護者や卒業生、他校の生徒なども入場できることから、教室も廊下も人で溢れかえっている。



「いらっしゃいませー!たこ焼きいかがですかー!」



それは本校舎にある私のクラスも同じで、大賑わいの中、莉乃ちゃんの明るい声が廊下に響いていた。



莉乃ちゃん、元気だなぁ。

私はといえば、今はとにかく大急ぎでたこ焼きを焼くことで手いっぱいだ。



おまけに昨夜は緊張であまり眠れなかったし……。

ダメだ、これからの本番のことを考えるとまた緊張してきてしまった。

けれど本番への緊張以上に胸を占めるのは、彼が来てくれるかなという不安。



昨日のあの様子じゃ、来てくれないかもしれない。

でももし来てもらえなくても、万が一のために松永くんにビデオ撮影も頼んでおいたから、その時にはそれを送ろう。



だから、大丈夫。必要以上に不安がることなんてない。

そう自分に言い聞かせる。