すると松永くんは、突然私の頭をわしわしと撫でた。
「ま、松永くん?」
思いもよらぬその行動に、今度はこちらが驚いてしまう。
けれど松永くんは冷静な顔のまま。
「確かに驚きだし、こっちまで不安でしょうがないけど、でもいい変化だな」
「いい、変化?」
「うん。確かにそうかもね」
松永くんの言葉に同意する莉乃ちゃんに対しても、その意味を問うように見つめた。
「正直さ、悠、お母さん亡くしてからちょっと不安定で心配だったんだ。笑ってるのに悲しそうな顔の時もあったし……力になれないのも、悔しかった」
莉乃ちゃんが悲しそうに笑いながらこぼすのは、その胸にあった本音。
沈んだ心は、思ったより外にも見えてしまっていた。
それを知りながらも、莉乃ちゃんも松永くんも、いつも通りでいてくれたんだ。
悔しい、だなんて。そんなにも、私を思ってくれていた。



