……告白、だなんて。

正直そこまで考えてなかった。



ただ今は、彼を愛しく思う気持ちで胸がいっぱいで、ただそれだけで。

どうしたいか、どうなりたいかなんて想像つかない。



そばにいたい。笑っていてほしい。

それくらいしか、思いつかないや。





6限目のたこやき作りを終えた、その日の放課後。余ったたこ焼きを4人分持ち、私は部室へ向かった。

先輩たちがたこ焼きが好きかはわからないけど、クラスの子達も『軽音楽部の先輩たちにぜひ!』と渡してくれたし……。

みんなで作ったから不味くはない、はず。



「お疲れ様です」



もはや慣れたように部室のドアを開ける。

するとそこには今日は、笹沼先輩と高田先輩のふたりがいた。



「おう、悠……ってなんだそれ!美味そう!」

「たこ焼きです。文化祭の模擬店用で、試作品なんですけどよかったら」

「食う食う!ちょうど腹減ってたんだー!」



私の手元のたこ焼きを見て、笹沼先輩はさっそく食らいつくと、タッパーを受け取る。

そしてひとつ口に含むと、美味しそうに顔をほころばせる。その様子から味は大丈夫みたいだ。

それに続くように、高田先輩も「いただきます」とたこやきを食べ始めた。