「そうと決まれば話も早い。こっち来て」
「わっ、えっ?あのっ?」
こっちって、どっち?
その長い指に強引に腕を引っ張られ、連れて行かれるがまま私も歩く。
ちょっと待って、歩くの早いし、足がもつれて転びそうだし、そもそもどこに行こうとしてるのかわからないし……!
混乱したまま必死についていくと、彼がようやく足を止めた。
見るとそこは、先ほどまで私たちがいた本校舎から少し離れた先にある、新校舎2階の第2視聴覚室前。
第1視聴覚室よりひと回り狭い部屋で、授業でも使ったことがない。
「あ、あの……?」
なぜ、ここに?こんなひと気のないところで……。
まさか、喧嘩売ったと思われた!?シメられる!?
サーッと血の気が引き、つい一歩後ろにたじろぐ。けれど逃げる勇気もない。
そんなこちらの気持ちなど知らず、彼は第2視聴覚室のドアをガラッと開けた。



