翌朝。いつもより少し早く登校してきた私は、ドキドキしながら校門を通った。
鞄の中には、赤色のリボンがついた手のひらほどの大きなの小さな紙袋を忍ばせて。
プレゼント用意したはいいけど、いつ渡そうかな。
できればふたりきりの時に渡したいけど、タイミングを狙っている時に限ってふたりきりってなかなかなれないんだよね……。
かといって改めて呼び出すのも、余計緊張してしまいそうでダメだ。
でも笹沼先輩たちの前で渡すのも恥ずかしいし……ああ、どうしよう。
悩みながら下駄箱で靴を履き替えていると、ちょうど近くにある2年生用の下駄箱から真紘先輩が姿を現わす。
あっ、いた!
せっかく会えたのなら今サッと渡しちゃおう!
そう思い鞄から包みを取り出そうとした、けれど
「あっ、ヒロー!」
それより先に、2年生の女の子たちが数名、真紘先輩のもとへ駆けつけた。



