彼は私を見ると、耳にしていたイヤホンを外し近づいてくる。
間近で見ると、小さな顔に高い鼻、涼しげな目をしておりかっこいい。
いや、今はそれどころじゃなくて。
「見つけたって、なにが?」
「い、いえ、すみません!あの、人違いというか、なんというか……」
話す声も、あの日と同じ低い声。
これは確かに彼だと確信する一方で、どこか認められない自分もいる。
ま、まさか……金髪にピアスの不良だったなんて。
とんでもない人に声をかけてしまった。
どうしよう、とあわあわとする私に、彼は意味がわからなそうにこちらを見る。
けれど、なにかに気付いたようにハッとした。
「もしかしてお前……アレ?」
「へ?」
アレってなに?
あ、もしかして……あの日のことを彼も覚えてくれていた?
そう期待したのも束の間、彼は突然私の腕をぐいっと掴む。



