「……お父さんに、これ以上負担かけたくないんです。学費も、生活も。だから早く自立しなきゃ、しっかりしなきゃって、思うんですけど」
お母さんが亡くなってから、お父さんは自分の悲しみを受け止める時間すらもなく私を支えてくれている。
ふさぎ込む私のためにご飯を作ってくれて、掃除や洗濯も私がやるより先にやってくれている。
それでいて仕事も変わらずこなして、忙しくて顔を合わせられない時もなにかと私に連絡もくれる。
そうやって毎日、きっと無理をさせてるから。
もう私は大丈夫だよ、って、早く言えるように。
自立して、強くなりたい。
その思いで、決めたのに。
「それが本当に正しいのかなって、わからなくなる」
自分の気持ちも進路も、なにひとつわからなくなる。
戸惑い、迷い、進めなくなる。



