はやる気持ちをおさえ、その声がどこからしているのかを知るために耳を傾けた。
上……?
1年生の教室があるこの3階の上……といえば、屋上。
屋上に、彼がいる。
そう思うともう悠長に歩いてはいられなくて、私は廊下を駆け、大急ぎで階段をのぼる。
生徒の立ち入りが許可されている屋上は、昼休み以外はあまり人がいない。
つまり、彼を見つけられるはず。
会いたい、伝えたい。ありがとうって、言いたい。
その一心で、バン!と思い切り屋上のドアを開けた。
やっと会えた。
やっと、
「みつけた!!」
思わず大きな声をあげると、屋上の端で柵に寄りかかっていた彼はこちらを見た。
そこにいた彼は、あの日と同じグレーのズボンに黒いスニーカー。
やっぱり、この人だと確信して視線を上げる……が。
その人は、ワイシャツのボタンを3つ開け、制服のネクタイはしていない。
なにより髪は眩しいほどの金髪で、耳にはいくつものピアスがついている。
……ってあれ、不良!?
私のイメージとあまりにも違う。
間違えた?人違い?
いや、でも屋上には彼以外人はいないし、なにより靴もあの日と同じ。確実に彼だ。
けれど、勝手に黒髪の好青年を想像していただけにそのギャップにめまいがする。



