「ため息なんてついちゃって。まだその人見つからないんだ?」
「うん……休み時間とか移動の時も結構見て回ってるんだけど、なかなか」
「まぁ、そう簡単には見つからないよねぇ。せめて髪型とか学年とか、もう少し絞れれば違うんだけど」
私もそう思って何度も思い返すけれど、それでもやっぱり記憶にはない。
つくづくあてのない人探しなのだと思い知る。
「今日私と松永、委員会あるから。悠先に帰ってていいよ」
「うん、わかった」
莉乃ちゃんはそう言うと、少し離れた席に座る松永くんに「行くよ!」と声をかけ引っ張って行く。
あのふたりは幼馴染だそうで、また一段と仲がいい。
付き合ってるのかなと思って聞いてみたこともあるけれど、『それはない!』と莉乃ちゃんに一蹴されてしまった。



