彼と出会ったのは、照りつける太陽が肌に痛いほど暑い夏の日。 行き交う人々の中、うずくまり消えそうになっていた私に声をかけてくれた。 朦朧とする意識で、うまく力も入らない。 声を発することもできない。 だけどただ、ひとつだけ。 彼が口ずさんでいた歌だけが、耳から離れなかった。 それは、今も変わらずに。