所属しているテニス部のミーティングを終えた私はサッカー部のマネージャーの柚と家路についた。

「ただいま〜」

「……」

誰の言葉も帰ってくるはずがない。
でももう慣れた。

私には兄弟がいない。
そして両親は働いていて
小さい頃から帰りが夜遅くになることが多く
家族3人が揃う時間など全然なかった。

だから保育園の迎えは悠来のお母さんである
恵美さんがやってくれていた。
我が子のように優しく接してくれる
恵美さんは大好きだった。
今もたまに道ですれ違った時は
にこっと微笑んで挨拶をしてくれる。

そんな恵美さんが大好きだ。