大好きな君に


そんな私の気持ちなんて気づくはずもなく、藍くんは走った。


そして橋の中間まで来るとゆっくりと足を止めた。


橋からは街を流れる川が見え、川辺には雪が積もっていた。


「ねぇ、珠莉」


「なぁに?」


真剣な表情をした藍くんは、手を握る力を少し強めた。