「ハルカさ、なんかあったって顔してる」


「え、バレた?隠してたつもりなんだけど」


「この智様の前で隠そうとする方が愚かというもんだって、ちゃんとお昼教えてよ?」


「敵いませんな、分かってるよ」



本当にいろいろあった。智には暁人のことも、愛莉子のことも話すつもりだ。


濃すぎたよあの2日間……


キーンコーンカーンコーン。



「よし、HR始めるぞ、席につけー」



チャイムと同時に先生が教室に入ってきたので、「じゃまたあとで」とだけ言って自分の席に戻ったのだった。







「っええええええええええ!!」


「智、うるさい」


「いやだってさ!信じらんない!何あの女!倒れてるハルカほっぽり出して自分だけ傘差す?しかもハルカのを?いやいや腐ってるよっ!」


「まあいつもだし」


「荷物全部持たせて傘も差させて疲れただと?ありえないっしょ!!」


「だからさ、分かったからちょっと黙ってよ」



昼休み、屋上にて。


一部始終を話し終えた後の智の第一声がこれだった。



「しかしこのアキトって人、アタシとは違う気付き方したんだね」


「え?」