「気持ち悪い」といわれたけど、嫌じゃなかった。
すんなり心に染み入ってきた。
私は生まれつき嘘が上手すぎて。
周りの人はめったに本当の私に気付いてくれない。
気付くのは本当に一部の人だけだった。
. . .
でもまさか、出会って2日目のこいつにバレるとはね。
「––––––言わない?」
「あ?」
「私が嘘つきだってこと、愛莉子に言わない?」
「……言うかよ……」
「んじゃ」
私は1つ咳払いをする。
「暁人ってさ、馬鹿だよね」
「はぁぁ?」
「なんていうか、隠しきれてない」
そう、私から見れば、こいつが嘘をついてるのはバレバレなのだ。
「たぶんさ、私みたいに生まれつき嘘が上手いわけじゃなくて、」
「……」
「必死に自分の気持ちを隠そうとして身につけたんだよね、嘘つきスキル」
暁人は黙っているが、私の言葉をよく聞いているようだ。
「立場上、その捻くれて、歪んでる性格を出しちゃいけないから、といったところ?」
「やっぱお前すげぇな」