次の日。
「本庄」
草伽社長、つまり愛莉子の父親に呼ばれたので行くと、
「予定より私たちの仕事が長引きそうでね。愛莉子と君は先に帰らせることにしたんだ」
なんですと。
「だが、白鳥はこっちの用事から外せないから、2人で歩いて帰って欲しい。道は分かるかね」
「はい、来る途中に何があってもいいように覚えました」
「さすがだ。では、もう帰りたまえ、愛莉子を無事にうちに送り届けてくれた後は、君は今日一日休みとする、ご苦労だった」
……まじすか。
休みは嬉しいが……ここから駅まで遠いやん…
幸い、草伽邸の最寄り駅にはタクシーがたくさん待っているから使っていいのだそうだが、ここらへんは道が狭すぎてタクシーを含めた部外者の車は入ってはいけないなんていう馬鹿馬鹿しい決まりがあり、タクシーが使えないらしい。
しかも……
ザーザーザー…
昨日に引き続き、土砂降り。
はぁ、やる気が……
「畏まりました」
仕方ない。頑張ろう。
「遥華、お父様から話は聞いた?」
「ええ、今から私がお送りいたします、ご準備を」
「そう、ならいいわ」
まだパジャマ姿の愛莉子は眠いのか目を擦ると、「1時間待って」なんて言ってドアを閉めやがった。
