そう呟いた暁人さんは、何事もなかったかのようにまた席に着いた。
私も何事もなかったように表情を変えない。
益子さんはどう私に声をかけるべきか迷っている。
愛莉子はまた私が反応しないのを見て、そのお嬢様らしい顔を歪めた。
その後は大人が子供を迎えに来るまで、重い雰囲気が続いた。
「ではもう、遥華も休みなさい」
「はい、お嬢様。お休みなさいませ」
仕事が終わり、与えられた部屋に入って鍵をかけると、はぁーとため息を吐いた。
時計を見ると、ちょうど0時。
愛莉子が暇だと言い始め、クソつまらないババ抜きをし始めたのが、22時のこと。
愛莉子の反応が分かりやすすぎて、負けるようにするのは容易だった。
わざと負けて、「お嬢様はいつもお強い」なんて言って、愛莉子が満足気に笑うのを見て。
馬鹿馬鹿しい。
そんな愛莉子のご機嫌取りトランプを2時間も続けた私を褒めて欲しい。
明日は4時起きなのに……今から寝る支度をして、レポートを書かなくてはいけないため、寝るのは1時半は過ぎるだろう。
2時間半かよ……寝るの。
さすがに、いくら私でも、辛い……
私はまた大きなため息をついたのだった。
