「本庄さん」
暁人さんが私を呼んだのは、沙良さんと談笑している時だった。
え、私?
私?
……私?なんで?
こっちに向かって歩いてくる暁人さん。
「本庄遥華さんで間違いないですよね?」
いきなり何かと思えば、名前の確認。
「ええ、そうですが……それがどうかされましたか?」
あ、もしかして。
バ レ タ ?
「本庄グループの娘さんですよね?同い年の」
いつの間にか愛莉子と和人さんもこっちを見ている。
「……暁人、それ本当?」
表情を驚愕に染めた和人さんが暁人さんにそう尋ねると、暁人さんはその答えを私に言うように目線を合わせてきた。
確信に満ち溢れている目。どこかそれに希望が感じられるのはなぜだろうか。
「今は亡き企業ですが、まあ」
愛莉子はそれはそれは気持ち悪いくらいに口を歪めていた。
だが、こんなことで私が表情を変えるとでも?
心の中で愛莉子を嘲笑う。
やはり、あのおめでたい頭は、両親に甘やかされてきた証拠、大企業の娘としての知識と経験が足りていない。
「……やっぱり」
