「高杉先生がいるなら安心ですね。
でも、お疲れじゃないんですかね?」
「ん~?
疲れもぶっ飛ぶってもんよ。」
「何がですか?」
「ううん、こっちの話。」
主任の不思議な会話に首をかしげてしたら、申し送りは終了。
次の話題は森下さんの息子さん達に集中した。
「森下さんの三兄弟、めちゃくちゃイケメンだった~。
一番上の長男さんは結婚してるみたいだけど、次男さんと三男さんは独身だって。
三男さんなんて、K大医学部卒の研修医だって~。」
へ~すごいな。
一緒に夜勤する他の二人の看護師も独身だ。
桜庭さん担当代わってだの、先輩いいなぁ~なんて言ってる。
先輩看護師の橋本さんも後輩の井上こといのちゃんも、羨ましいって表情を顔面に出してる。
「橋本さん、渋谷さんにチクりますよ?」
渋谷さんは橋本さんの彼氏で、うちの病院の放射線技師だ。
「理想と現実はわかってるつもりよ。」
と言ったから、みんなで笑った。

