やっと終わった…。
案外キツイものだ。

私がライン引きをしているうちにみんなは準備体操までを終わらせてしまっていた。
これからこういうのがなんども続くのだろうか...。
私は気が重くなった。

どうやらこれからペアでサッカーをするようだ。
みんなはグループとか元々組んでいるものだから...。
私は孤立していた。
こんなんじゃ尚更やる気が起きないものだ...。
全くだな...。

その中で先生は片手にボールを持って、私に話しかけてきた。
参加するのかしないのかだの、やるのかやらないかだの。

いや、ペアがいなくては元も子もない。
でも、初回からサボっていいのだろうか。
私のちいさな良心が傷んだ。
だからちいさな声で、やりたい...ですが相手が....。
と表情を変えずいった。

先生はなら俺とやるか?みたいな提案をしてきた。
え?...いや。別に嫌ではない。
だが昨日とった態度から罪悪感みたいなものが
私にはい寄せるからあまり先生とはやりたくない。

私は、少し顔をしかめたが、やるとコクリと頷いた。

すると先生は少し驚いた顔で、今日はやけに素直だな?
といったような、そんなような...。

別に素直ではない。
というか、正直私はこの先生が苦手だ。
なんだか、怖いのだ。
胸が少しだけざわつくのだ....。

そして私は先生からボールを渡された。
試しに蹴ってみろとのことだ。

私は運動は苦手だし。
動くのは本当に疲れるし。
面倒なことは嫌いだし。
そんな思いに満たされている私であった。

そんな私にこのボールを試しに蹴れと...?

私は、やる気なくボールを蹴り上げた。
そのボールは弱々しく、変な方向に飛んでいった。

あ、これはやらかしたか。

私は思った。

すると先生が腹を抱えて笑いだした。

くっ...、この先生、意地が悪い。
恥ずかしい。
なんて恥ずかしい。
苦手だからやらないといったのに...。

私はムッとした顔をした。
先生は楽しそうにずっと笑ってた。
笑い終わると先生は私を見た。