「やあ、気分はどうかな?」


「あなた…なぜ私をここに!?私はあなたのこと知らないわ!」


私を捕まえたこの男に見覚えはない。
私の声は聞こえていないという様に、鉄格子の鍵を開け私を強引に立たせ、顔を近づける。



「噂通り、とても美しい。」

そう言って私の髪を撫でる彼に、腕を縛られている私には払うこともできない。




強めに腕を引かれ鉄格子のある薄暗いところから、だんだんと明るいところに向かっている。


王宮ほどではないが、この場所も十分豪華だと感じた。