「あら!ルカー!!どこかにお出かけかしら?」


シエルが俺の馬を連れてくるのを待っているとリリーがこちらに寄ってくる。



「久しぶりねー!このところは部屋にこもりっぱなしって聞いてたから!」


馴れ馴れしく腕を絡ませてくるのを防ぎ、距離をとる。


「何の用だ…」

「そんな怖い顔しなくていいじゃない!!私はただルカとお話ししたいのー!今日はあの子の護衛はしなくてもいいの?」


「あの子…?」


「あら!とぼけなくても私は知ってるのよ!エマさんだったかしら?ルカが護衛してるって!私の護衛は断ったのに!」


!なぜ、


「何でそんなこと。」


「知ってるわよー!ルカのことなら何でも!」


不気味に笑う姿に慎重になる。
こいつもレーガン家だと頭に入れつつ…


「お前、何か企んでるのか。」


「何!?私はただの花嫁候補よ!あ、でも企んでるっていうなら1つだけ…」

腕をグッと掴み俺の耳元で


「ルカの花嫁になる方がいいかな〜って!」


全身がゾワっとなるのを感じ、思い切り引き離した時にシエルが来た。



「行ってらっしゃい!!」


笑いながら手を振るリリーを一瞥して馬の腹を蹴る。