「!!お前は!」
突然聞こえた声に顔を上げれば、そこにはきちんとした格好の貴族のような男の人とその周りを囲む剣を腰につけている騎士がいた。
貴族の様な男がズカズカとこっちにやってきたと思えば、ニヤリと笑い
「そうか、お前からこちらに来てくれるとは…お前らこいつを屋敷に連れてけ!」
え、?
意味が分からずにいると突然腕を掴まれレビィさんと引き離される。
「え!?ちょっと!何なんですか!!離してください!レビィさん!!」
「エマ!?エマをどこに連れてくの!?」
「お前には用はない。」
私だけ拘束され、とにかく離れようと暴れていれば、腕を掴んでいた騎士に首をトンっとされ、意識がなくなった。
「んっ……」
意識が戻ると、身体中が軋む様に痛かった。
ゆっくり目を開ければどこか薄暗い鉄格子のところに私はいた。
横たわる体を手と足が縛られているためなんとか起こし、壁に寄りかかる。
「何で、こんなことに…」
ただ私は観光しに来ただけなのに…レビィさんは無事だろうか…


